あゆっち×ツルヤ―ライブについて

≪お話のお相手≫ あゆっちさん…滋賀県出身、滋賀県在住の女性。FoZZtoneのミュージックビデオ公募企画C’mon! MV に、チームあゆっちとして応募。第2回『TOUGH!!!』佳作受賞、第3回『世界の始まりに』LOVE賞受賞。全国各地のライブに数多く足を運ぶ。YouTubeチャンネル→こちら
収録日:2014年3月30日(日)17:00~ @愛知県名古屋市

――初めて行ったライブのお話から伺いたいんですけど。

「初めて行ったライブは、高校生の時に同級生がやっていたバンドを観に滋賀県の大津にあるライブハウスに行きました。でもやっぱり、高校生の時のライブハウスって“何着て行ったらいいの?”とか“どんな怖い人がいるの?”みたいなのもありましたね」

――その当時って音楽は聴かれてました?

「ミスチルとかジュディマリとかスピッツとかですかね。その時のライブでは同級生のバンドは前座だったんですけど、トリがギターウルフ」

――え!?

「今だったらすごいなって思うんですけど、当時は知る由もないので。“え!? 怖い!!”みたいな(笑)」

――それこそ怖いですよね(笑)。

「学生時代は基本的にライブハウスと縁が薄かったです。ただ、大学生の時に小谷美紗子さんってピアノの弾き語りをする方を好きになって、その人のライブには行ってたんですよ」

――小谷さんを知るきっかけっていうのは何だったんですか?

「オフコース(小田和正さん)のトリビュートアルバムで『さよなら』という曲を歌っていて、“何この声、めっちゃ良い!”ってなって、そこからCDを買いまくって。でもピアノの弾き語りなんで、みんな座席に座ってじっと観るタイプ。物音ひとつ立てず。場所はライブハウスなんですけど、コンサートですよね」

――ある意味では行きやすいタイプのライブですよね。

「そうですね。でも、親友を小谷さんのライブに連れて行ったら“なんか暗くて、怖い”って言われて、確かに曲もライブの雰囲気も重いんですけど(笑)自分が良いと思ってる音楽を親友に受け入れてもらえなかったのがめっちゃショックでしたね。気が合う親友でも芸術の好みが合うとは限らないんだなと。それからは人に薦めるときに押し付けにならないよう気をつけるようになりました」

――そこは難しいところですね…。

「今みたいなライブハウスでのスタンディングのライブに行くきっかけになったのはスピッツで、でもそれも遅かったですね。24、5歳くらい。今もですけど、スピッツってチケットぜんぜん取れないんですよ。まず、どう取っていいか分からない。でもライブ映像を観ていて…そう、ライブ映像を観たのもライブに行く大きなきっかけで、だから今でも映像が大好きですね。写真とか音源よりも、ライブ映像がいちばん惹き込まれる。働き始めてから、ライブDVDとかクリップ集とかがすごい心の癒しになったんですよ。毎日帰ってきて観ながら“はぁ~”って(笑)。“明日も頑張ろう”って(笑)」

――主にスピッツですか?

「主にスピッツ。それで、やっぱりライブに行きたいなぁって。でもチケット取り方分からないんで、当時ヤフーオークションで…」

――(笑)。

「定価で(笑)。定価ぐらいで(笑)」

――そうですね(笑)。

「それで初めて行ったのが、当時北海道に住んでたので札幌のホールのいちばん後ろの席で。でも初めて観るのでそれだけで感動して。豆粒だけど、映像で観てた人たちが本当にそこにいるって。逆に最初から前の方で観なくて良かったなって。後ろからだんだん前に行くことで有難味があるというか(笑)。それが確か2005年の3月ですね。その後すぐにファンクラブに入りました。同じ年の8月に今度はゼップ仙台でスピッツがイベントをやるというので、それも行きたいなぁって思ったんですけど、ファンクラブの先行予約がもう終わってて、一般発売もすぐに完売して。ただ、ローソンでなんとなくロッピーを操作してみたら、あったんですよ、2階席がたまたま。たぶんキャンセルが出たんだと思うんですけど、買えて。それもいちばん後ろの端っことかだったんですけど。それがスピッツ2回目で、やっぱり良いなってなって。今でこそチケットの取り方分かりますけど、それでもスピッツのチケットを取るのってすごい大変で…門が狭いって色々考えますよね。」

――そうですよね。

「スピッツのイベントで他のバンドも観て、“あ、このバンド良いな”って思って色んなライブに行くようになりました。あと、スピッツのコミュニティサイトで知り合った人たちがすごいライブに行く人たちで、その影響をめっちゃ受けて(笑)」

――どっかで影響って受けますよね(笑)。

「この人がこういうことしてるんなら、私もそういうことしていいんだって(笑)。2007年に今度は夏フェスに初めて行って。その辺が転機で、2011年までは色んなバンドのライブにすごい行っていた時期ですね」

――いちばん行ってた時期ってどれくらいとか分かりますか?

「でも年に100本が最高です」

――FoZZtoneを知ったのもその時期ですか?

「2009年にFM802主催の野外イベントで初めて観ました。その前にスペースシャワーTVとかで『茶の花』のMVを観て、“変な曲だな”って思ってたくらいの知識で(笑)。その日は若手バンド中心の出演で、あんまり満足のいくクオリティじゃないバンドが続いて(笑)。そしたら後半にFoZZtoneが出てきて、すごいバランスの良いバンドだなって思って。その時に何故か“私このバンド…めっちゃ好きになってしまうかも?!出会ってしまったかも?!”って思いました。その1ヶ月後に梅田Shangri-Laで対バンイベントを観て、“あ、やっぱり”って思って。その後はもう転がり落ちてしまいました」

――MVの話を伺いたいんですけど、それまで映像制作とかされたことはあったんですか?

「いえ、全く。最初にFoZZtoneが企画をバンって出した時に、REC OK!っていうのもまず撮ったらいいのか踊ったらいいのかどっちなんだろうと思って。“どうしたらいいんだろう?”って悩んで(笑)。でも、せっかくバンドさんが企画を出してファンに“乗ってこいよ”って言ってくれてるんだから、それに応えるのがファンじゃないかっていうのが芽生えてきて。その時『TOUGH!!!』が課題曲で、それをずっと繰り返し繰り返し聴いてたら構想が浮かんできたんですよ。浮かんできちゃったから、これ作ろうかなどうしようかな出来るのかなって3日くらい悩んで(笑)。で、まず宣言した方が良いと」

――公に(笑)。

「公に(笑)。Twitterで“MV作ります”って言ったら、友達が何人か手伝うよってバババッて反応してくれて。それで“私はこういう理由でこれを作って目標は何か、あなたたちに何をして欲しいか”ってパワーポイントで資料を作って友達にプレゼンしてチーム結成。映像編集の仕方もYouTubeの使い方も知らないド素人だったんですけど、みんなでやればなんとかなる! という精神で作りました(笑)。私は技術が未熟だったので周りに助けてもらってチームという形でやりましたけど、単独でやられている方はほんと凄いなぁと尊敬してます。後で考えると、機会をもらった時に素早く乗っかれて良かったです。最初のチームメンバーも次の年にはほぼ全員環境が変わってしまって集まれなくなっていて。だから、“迷わずやれ”って思いますね。あと“宣言しろ”」

――FoZZtoneはこれからも見守っていきたいバンドですか?

「そうですね。2010年頃ってすごい変遷した時期じゃないですか。メンバーも変わってバンドもピリピリしてて、“ついてこれる奴だけついて来い”みたいなところもあって。でも絶対ついていくし、振り落とされへんし、負けへんしって思って(笑)。バンドを諦めなくて、食らいつけて行けて良かったなって。昔は尖ってたメンバー達が、最近ライブで“愛してる”って言ってくれるのがすごい嬉しいです(笑)」■

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