さき×ツルヤ―ライブ、バンドについて

≪お話のお相手≫ さきさん…宮城県出身、東京都在住の女性。大学在学中にベースを始め、同時期に仙台でLuke workersのメンバーとして活動。精力的にライブやリリースを行う。2013年12月に開催されたFoZZtoneセッション会にも参加。
収録日:2014年3月27日(木)19:30~@東京都世田谷区

――初めて行ったライブって何ですか?

「初めて行ったライブは、モーニング娘。です」

――え!? いくつの時?

「小4です(笑)。小学校3年くらいからずっとモー娘。が好きで。仙台でハロプロ夏祭り的な、モー娘。とかの出る野外のイベントがあって。親に連れられてそれに行きました」

――それは自分から“行きたい”って言い出したの?

「たぶんそうだと思います。そういうのが近くであるから行こうって。それが初めてですね。モー娘は小学校5年生くらいまで好きだったんだと思います。それからミュージックステーションとかHEY! HEY! HEY! とか地上波の音楽番組を観るようになって、J-POPをすごい聴いてましたね。中学校の頃はORANGE RANGEがめっちゃ好きで。あの頃はORANGE RANGEが本当にすごくて学校みんな聴いてたので、それはもう自然な流れで。でも、今考えるとやっぱりバンドサウンドが好きだったのかなって。ボーカルとギターとベースとドラムがあるんだなって。そのへんをちょっと覚え出した時期ですね(笑)。音楽雑誌も読むようになって…B-PASSとかWhat’s in?とかですね。そこに載ってるんですよね、BUMP OF CHICKENとかASIAN KUNG-FU GENERATIONとかELLEGARDENとかレミオロメンとか。同時期にスカパーも家に導入されて、音楽番組がすごい観れるようになったんです。それで私は“わっ!!”って開花しました(笑)」

――さきちゃん自身、ベースはいつから始めたの?

「ベースは遅かったです、大学生の時からなので。高校生の時はクラシックギター部に入ってたんです。中学校3年生まで全く楽器に触ったことなくて。みんなけっこうピアノとかは習ってたりするじゃないですか。そういうのもなくて、ここでやらなかったら音楽は好きなのに自分は演奏できないってなっちゃうから、高校で音楽系の部活に入ろうかなって。軽音も考えたんですけど、週に1回も活動しないような感じだったので。それでもうちょっとガッツリできて初心者でも大丈夫そうなクラシックギター部に…まぁ実際大丈夫じゃなかったんですけど。とにかく楽器ができないっていうのがすごいコンプレックスだったので」

――それで、大学でベースを選んだってゆうのは…?

「大学ではやっぱり軽音サークルに入りたくて。他にも音楽系のサークルは色々見に行ったんですけど、大学のクラシックギターは本当にガチのクラシックギターで技術もすごい必要で。高校の時は割とポップスも演奏する感じだったんですけどそういう感じじゃなくて、ちょっと雰囲気違うなって。それで軽音に入って、ベースを選びました」

――それは好きなベーシストがいたからとか?

「や、できそうだったからです(笑)」

――(笑)。

「もちろんベースかっこいいなってのもありましたし、クラシックギターをやっていたので弦楽器の音に魅力を感じていました。単純にひとつの楽器としてベースの音が好きで。ただ、うちの大学ってバンドサークルが6個くらいあって、新入生も何百人ってばっとくるから“○日にバンド決め大会します”って集めて、そこで適当にバンドを組めって言うんですよ。それで各サークルに振り分けられるんです。けっこう地獄で、すごい余りものみたいな感じで組まされて、入りたくもないサークルに入らされて。しかも1週間も経たないうちにそのメンバーがみんな音信不通になっちゃったんです。で、失意の内に幽霊部員みたいな。それで天体観測のサークルとかに入ってたりしたんですけど(笑)。でもそしたらある日、軽音サークルの人から急にメールが入ってたんですよね、“一緒にバンド組みませんか?”って。それは先輩のバンドで、ベースが抜けちゃって部内を探しても誰もいなくて、たまたま私が入部当初に書いた連絡先を見つけて声をかけてきたんですけど。それで何故か入ったんですよ、そのバンドに。ひゅって」

――その時点では、まだほとんどベース弾いてないよね?

「そうですね、“えー!?”って思ったんですけど。他のメンバーは全員年上の男の子で、更に年齢もみんな1コずつ違って。そのバンド自体は以前から1年くらい活動していたんです。それで私はコピーバンドもやったこと無いのに、いきなりオリジナル曲やるバンドに入ったんです(笑)」

――すごいな(笑)。

「けっこう熱心に活動していて。月1、2でライブをやって、仙台のMACANAとかPARK SQUAREとかに出演してました。そういえば、enn2ndにFoZZtoneが出た次の日に自分が出演した時があってテンションが上がりましたね。楽屋にフォズの痕跡を探したりしていました(笑)。CDも2枚出しました。まぁ私は、先輩方におんぶにだっこ状態でやってたんですけど」

――そのバンドは今は?

「もうみんな散り散りになっちゃって。ドラムも1回変わったりしたんですよね。急に音信不通になって(笑)」

――バンドあるあるだ(笑)!

「(笑)。ドラムが急に来なくなって、バイト先に押しかけて行ったりして。辞める時に現実的に嫌な話になって、“ノルマ代もまだ払ってないだろ”って。 そしたらそのドラムが財布から全財産取り出してウチらに投げつけてきて、ボーカルがドラムの胸ぐらつかんで壁に叩きつけて怒鳴りつけて。ドラムはそのまま走り去って行きました。それから会ってないです(笑)」

――それが最後に見た彼の姿…(笑)?

「1回も連絡すらしてないです、超バンドですよね(笑)。良い対バンもさせてもらって。the cabs(2013年解散。現KEYTALKの首藤義勝さんが在籍)とか。なんかすごい…懐かしいなぁ。友達ってゆう雰囲気じゃなくて遊ぶような関係性でもなかったので、仙台に帰省した時も会いたいって言いにくくて会ってないです。本当は会いたいんですけど」

――エモいよね(笑)。

「そうですね。言葉にすると…エモいですね(笑)。曲を演奏することも楽しかったんですけど、憧れのバンドが普段やっているようなことを追体験している嬉しさがいちばん大きかったような気がします。スタジオで次回のライブのセトリ考えたり、ノルマあるから告知して集客したり。アンケート作ったり、物販の見せ方工夫したり。渡會さん(渡會将士さん/FoZZtone)と同じ虹色のストラップにしてにやにやしてたっていうのもありました(笑)。バンドっぽいことをさせてもらえてラッキーだったなって思います」

――今もバンドをやりたいとか思ったりする?

「でも今は逆に、好きな人たちでコピーとかでセッションできるのが本当に楽しくて。ウチのサークルって本当にレベルが高くて、コピーするって言っても耳コピが当たり前で。私はもっとスコアブック買って、できないながらもみんなでワイワイ演奏する…みたいなのをやりたかったんです。順番が逆になっちゃったんですけど、だから今がとっても楽しいです(笑)」■

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